高校 キャリアイノベーション

生物の多様性と企業の役割を学びました

投稿日2026/10/30

 キャリアイノベーション同好会では、9月28日(月)に「さいたま市の自然環境の課題解決に向けて」をテーマに、さいたま市の環境行政に携わる田中様と柿本様、造園会社の小沢様をお招きし、生物の多様性や自然環境の保全について学びました。

  前半では、さいたま市担当者の柿本様から、「生物多様性とは何か」「なぜ生物多様性を守る必要があるのか」を中心にお話しいただきました。

 自然界では、植物や昆虫、カエルなど、さまざまな生き物が「食べる」「食べられる」「花粉を運ぶ」といった様々な関係を通して互いにつながり、支え合っています。また、私たちの生活も、食料や水の供給、気候の調整、災害の緩和、自然とのふれあいなど、生態系から多くの恩恵を受けています。

 一方で、都市開発による緑地の減少、田畑などの管理不足、外来生物の増加、地球温暖化などによって、生物多様性が失われつつあることについても説明していただきました。

 こうした課題に対し、さいたま市では条例や計画の策定、環境学習の実施、桜環境センターをはじめとした施設での取り組みなど、さまざまな活動を進めています。しかし、行政だけで地域全体の自然環境を守ることには限界があります。その為、行政、市民、学校、企業など、それぞれの立場の人々が役割を持ち、協力して取り組むことが重要であると学びました。

 また、企業活動についても、これまでのように売上や利益だけを重視するのではなく、環境や社会への貢献を企業価値につなげていく視点が求められていることを教えていただきました。環境に配慮して管理された森林資源や水産資源を利用する仕組みなどを例に、「自然を守ること」と「企業として成長すること」を両立させる考え方について理解を深めました。

 後半では、造園会社を経営する小沢様から、実際に緑地を管理する企業の立場からお話しをいただきました。

 造園会社は緑をつくり、守る仕事である一方、実際の緑地管理の現場では、雑草や害虫への対応として薬剤を使用することがあります。薬剤を使用すれば、対象となる生物だけでなく、昆虫やカエルなど周辺の生き物にも影響を及ぼす可能性があります。

 「緑を守る仕事をしているはずなのに、その管理方法が生物多様性にとって本当に良いものなのか。」

 小沢様自身が長年抱いてきたこの疑問を出発点として、自然環境を守りながら、企業として事業を継続・発展させる方法についてお話しいただきました。

 一方で、自然環境を守る活動は大切ですが、企業である以上、事業として成立させる必要もあります。生物多様性の保全を単なる社会貢献として終わらせるのではなく、そこに新しい価値を生み出し、持続可能なビジネスへとつなげられないか。この課題こそ、キャリアイノベーション同好会の生徒たちが今後考えていく「イノベーション」のテーマの一つです。

 今回の学習では、行政、企業、学校など、それぞれ立場が異なれば、自然環境に対する考え方や求められる役割も異なることを学びました。例えば学校では、生物多様性への配慮と同時に、生徒が安心・安全に生活できる環境を確保することも重要です。一つの立場だけから答えを出すのではなく、それぞれの立場や課題を理解したうえで、自然環境の保全と人々の暮らし、そして企業活動をどのように両立させていくのかを考える必要があります。

 今後は、桜環境センターでの活動も予定しています。今回学んだことを実際の自然環境と結び付けながら、生徒たち自身がさいたま市の身近な環境課題を発見し、その解決に向けた新しいアイデアを考えていきます。

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