7月17日(木) 3時間目、デフバドミントン日本代表の矢ケ部 紋可(やかべ あやか)選手に講演をしていただきました。デフ(Deaf)とは英語で「耳がきこえない」という意味であり、デフリンピックは国際的な「きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック」です。
講演ではまず、補聴器や人工内耳の仕組みや、きこえない方にとって音がどのように聞こえているのかをご説明いただき、実際に日常生活を送る中で困ったことについてもお話いただきました。
次に、きこえない方のコミュニケーション方法について、クイズや実演を交えながらお話していただきました。読唇術のクイズでは、口の動きが似ている言葉の見分けがつきにくいため、身振り手振りを交えて伝えると相手に伝わりやすいということを学びました。また、手話で挨拶をしたり、様々な単語を手話でどう表すのかを考えることがきでました。パスタであればフォークでパスタを巻く仕草を表すなど、それぞれの特徴をわかりやすく表現されており生徒たちも興味津々でした。また、各国によって手話に違いがあることにも驚いていました。
最後に、デフリンピックとデフバドミントンについて説明をしていただきました。デフリンピックのことを知っている生徒もいたものの、国内での認知度は16.3%とまだまだ低い状況です。今回の講演を通してパラリンピックとの違いや、デフリンピックのルールについて詳しく知ることができました。競技のルールはオリンピックと同じですが、聴力や補聴器等の使用について規定があり、競技中の合図には音の他にランプやフラッグ等を用いて競技者にわかりやすく伝えられるよう工夫されているそうです。デフバドミントンでは、打球音や足音といった聴覚からの情報がなく、特にダブルスではペアと声でのコミュニケーションができないため、目視で状況を判断して動かなければラケットがぶつかったり、どちらが打つのか連携を取ったりするのが難しいとのことでした。
質疑応答の時間は沢山の質問に答えていただきました。生徒たちからは「無音の状態でスポーツをするのは想像するだけでも怖いが、沢山の練習をして競技に臨むのが本当にすごいことだと思った」「今年の11月に東京でデフリンピックが開催されることを知らなかったが、今日の講演を聞いて実際に競技を見てみたくなった」といった感想が寄せられました。きこえない方の生活やデフリンピック・デフスポーツについて理解を深めるたいへん貴重な機会となりました。
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